現地調査なしで大丈夫?信頼できる給湯器交換業者の見分け方(お見積り編)

信頼できそうな給湯器交換業者を絞り込んだら、次は見積もりです。

「見積もりなんて、価格が安いかどうかでしょ?」

そう考えがちですが、見積もりからも業者の信頼・信用を嗅ぎとることが、給湯器交換工事で失敗しない重要な要素です。

そこで今回は、信頼できる給湯器交換業者の見分け方として、『見積もり』に絞ってポイントを説明します。



現地調査(下見)をしているか

まずは見積もりの『方法』です。

最近では、スマホの普及により現場の写真を送って見積もり完了とする業者も増えてきています。

現地調査をするには、職人を派遣して、お客さんに説明してという作業が必要ですので、人件費・交通費などのコストが余計にかかります。

給湯器交換業界は、ここ数年で多くの業者が参入しており、価格競争は熾烈を極めています。コスト削減のためか、現地調査を省略する業者が増えているように思えます。

しかし、次に上げるような、写真だけではわからない、現地調査でないと確認できないことは多くあります。

設置場所周辺の環境

給湯器周辺の環境を写真で全て把握するのは非常に困難です。特に、次の3つの確認を怠ると、給湯器が交換できないということにもなりかねます。

給湯器設置高さ

給湯器が2階以上の壁など、高所に設置されている場合、職人一人で工事することは難しいです。中には脚立を使ってできる場合もありますが、かなりの危険が伴います。

作業に必要な周辺の広さ

給湯器設置場所に十分な作業スペースがあるかも重要なポイントです。給湯器周辺が狭い場合、交換に必要な工具が入らず、工事ができないということもあります。

また、給湯器交換場所までの通路が狭すぎて、通れない現場も稀にあります。

法的な設置基準を満たすか

既存の機器の後継機種なら交換できる安易に考え、写真だけで見積もりをする業者も多いようです。しかし、前回設置した業者が杜撰で、法的に設置基準を満たさない工事をしていたらどうでしょうか。

給湯器には、法的に設置基準が厳格に定められています。写真だけで交換機種を決めてしまっては、当日に交換できないということになりかねません。

最悪の場合、設置基準を満たしていない場所に、不適合な給湯器を再設置してしまうということにもなるでしょう。

ガスの種類

ガスには「都市ガス」と「プロパンガス」の二種類があります。給湯器本体の銘板にガスの種類が記載されていますが、地域によってはプロパン→都市ガスの切り替えしています。

その場合、給湯器内部の部品だけ交換して、都市ガス対応の給湯器になっていて、銘板だけではガス種は判断できません。

配管の種類

給湯器の配管は保温材が巻かれており、写真では配管の種類や口径を確認することはできません。

現地調査をしない業者は、交換に必要な配管が準備できないことも多く、いい加減な業者によっては既存の古い配管を再使用することもあるようです。

外壁の強度

戸建住宅の場合、給湯器は外壁に固定することが多いです。給湯器は、機種によっては40kg以上ありますので、外壁に固定するには、それなりの強度があります。

外壁の強度は写真だけではほとんどわかりません。経年劣化で壁が弱くなっている可能性もあります。

現在も給湯器が固定できているからと、同じ場所に固定してしまっては、工事後に給湯器が落下したなんてことにもなりかねません。

集合住宅の事情

マンション特有の事情で、いろいろと管理組合に確認が必要ということがあります。それは、工事の許可書であったり、周辺住民への告知であったりです。

事前に現地調査をしておけば、現場に入る際に管理人さんから、工事に関する注意案内がありますので、マンション特有のトラブルは事前に対応することができるのです。

(結論)現地調査は必須

このように、工事に重要な現地調査を省略する業者には、工事当日に思わぬトラブルで工事が中止になったり、追加費用が発生させられたりというリスクをはらんでいます。

リスクを承知で工事注文を受ける業者は信頼できるのでしょうか。



お見積書の明細から見分けるポイント

現地調査から提示された見積もりからも、信頼できる業者か嗅ぎ取りましょう。

ここではポイントを絞って、信頼できるかどうかを説明します。

商品の品番が記載

ネット業者は大量仕入れをしますので、在庫を多数抱えています。給湯器はモデルチェンジしても機能に大差なく、外観もほぼ同じですので、案内なしに型落ち機種を出すところもあります。

見積もりの明細に「機種名」しか記載がない場合は要注意。型落ち機器の可能性もあります。

ノーリツであれば「GT-」、リンナイであれば「RUF-」などから始まる品番が、きちんと提示していない業者は信頼できるとは言えないでしょう。

工事費の明細も細かく記載

多くのネット業者では、明細書に「工事一式」として工事に必要な部材・技術料が丸められていることがあります。

コミコミ価格ということで、お得感を出しているようですが、そうなのでしょうか。

前項で説明したように、給湯器の配管の種類には前場によって様々。モノによっては材料費に数千円の差もでます。

特に、ガスの配管。「ガス可とう管」と呼ばれる配管が必要かどうかによって、3〜4000円くらいのコスト差が発生します。

都市ガスの場合、「ガス可とう管」の交換が必要かどうかは半々くらい。ということは、半分くらいの人は、不要な部品の工事費の負担をしているということもいえます。

廃棄処分費が有料はボッタクリ?

給湯器本体は、リサイクル業者に持っていけば金属材料として、1台あたり数千円で買い取ってくれます。

処分の手間が発生するので、還元はしてくれないと思いますが、逆にお金をとる業者は怪しいと思っていいでしょう。

出張費は記載されていますか

「出張費0円!」とアピールしている業者も多いですが、もちろん工事をするには交通費がかかります。

ガソリン代に駐車代、さらには移動時間の人件費。

施工エリアに制限を設けて、地元しか工事しないという業者であれば、出張費0円も可能でしょう。

しかし、全国規模で展開するネット業者で出張費が0円ということは、本体価格や工事費に価格が転換されているか、下請け業者が負担をしているかだと思います。

営業担当の記載はありますか

見積書には、価格交渉や質問ができる営業担当の記載はありますか。

営業担当の窓口が不明の場合、質問や相談がしたくて業者に電話しても、たらい回しになることもあります。

電話をしても「担当者から折り返す」と言われ何時間も待たされた、といった声も聞かれます。

まとめ

実際に現地調査をしても、思わぬトラブルが発生することもあるのが工事。お金を払ってでも現地調査はしてもらうべきでしょう。

それでも現地調査を省略する業者は、リスクを軽視していると思いますので、信頼できるとは言えないと考えています。

また見積書の内容でも、業者が信頼できるかどうかを見分けるポイントは多数あります。

表面上の価格だけに惑わされずに、不明な点はとことん質問をして、その回答や対応などから総合的に判断して、トータルで最適な業者を決定しましょう。