高所にある給湯器交換工事は不可能?!|ネット格安リフォーム業者の落とし穴

インターネットに誰でもアクセスする時代。ネットを主な販売窓口として、実店舗をおかずに給湯器交換業を営む業者(ネット業者)が年々増えています。

ネット業者が現れたことで、大手ガス業者の独占が崩れた給湯器交換業界。数十年前から比べると、給湯器交換にかかる費用は半額近くになったでしょう。

業界に風穴を開けたネット給湯器交換業者ですが、多くのネット業者が参入してくるにつれ、質の悪い業者も増えてくるのはどの業界でも共通。

「安いから」という理由だけで給湯器交換を依頼して失敗したという声も多く聞かれます。

そこで安さを売りにしたネット業者にありがちな給湯器交換トラブルを紹介していきます。

今回は、現地調査(下見)なしの業者にありがちなトラブルです。


ネット業者は現地調査なしで見積もり

インターネット検索で「給湯器 交換」でヒットする業者の多くは、現地調査をせずに見積もりを出します。

どうやって現場の判断をするかというと、お客さんに現場の写真をスマホを撮影してもらって、それをメールなどで送ってもらって判断するという形です。

ネット業者の多くは、自社で職人を多くは抱えず、地場の零細工事店に外注しています。価格競争が激しいネット業界。コストが発生する現場の下見を省略する業者も多くあります。

業者によっては、遠方の業者に工事だけ発注することになりますので、その管理の手間から下見を省略することもあるようです。



実際にあった失敗談

東京都内に住むSさんは、「給湯器 交換」とネット検索して、すぐにヒットしたネット業者に給湯器交換を依頼することにしました。

ホームページには、「コミコミ価格」「追加費用一切なし」など、安心できる文言がならんでいるので、ここなら大丈夫と思いました。

見積もりは、ホームページの申し込みフォームから。そこでは、既存の給湯器の品番と写真を送るよう指示されていたため、Sさんは慣れないスマホで、できるだけ指示された通りの写真を送りました。

しばらくして帰ってきた見積もりは、ほぼホームページ通り記載の金額通り。Sさんは即決で発注しました。

まさかの当日工事キャンセル

お冬場にお湯が出ない状態だったので、1日も早く工事したいと思っていたSさん。しかし、繁忙期ということから5日ほど待ちました。

いざ工事当日。一人やってきたネット業者から派遣された職人から信じられない言葉が聞かれます。

「これは、無理だな・・・」

高所に設置された給湯器

電話で本部としばらく電話したあと、その職人はこう言います。

「高いところにあるので、今日は工事できません。足場を組む必要があるので、改めて本部の人間から見積もりを出させます。」

すでにお湯が出なくて3日。しかも、改めて見積もりということで、いつになったらお風呂に入れるかわかりません。

職人と掛け合っても「本部に言ってくれ」の一点張り。言われた通りにネット業者に電話をかけます。

すると、分かりにくい写真を送ってきたのが悪い、と逆ギレされる始末。しかも、高所工事に必要な足場代として40万円の追加が必要と言われました。

「追加費用一切なし」とは、見積もり以上のお金をもらわないという意味なだけだったようです。

ネット業者の対応を不誠実に感じたSさんは地場の工事店に改めて見積もりを依頼。

下見をした熟練の職人さん曰く、ハシゴを使って補助の人員を使えば足場は不要とのことで、ネット業者の最終見積りより遥かに安く済んだそうです。



設置環境によって工事の難易度の見極めも必要

下見をしない業者は、お客さんからの写真などの情報だけで判断します。その写真を見て判断する業者の人間は、工事経験したことがないということも多いと聞きます。

見積もりの前にする下見は、後継機種が適合するかを調べるだけではありません。

給湯器が設置されている環境によって、工事の難易度も判断する必要があります。それによって、担当する職人を決めたり、派遣する人数を決めたりするのです。

Sさんの失敗例の場合は、当日一人できた職人の経験とレベルが低く、足場を組まないと工事不可と判断したのでしょう。下見をする職人のレベルによっても見積もり金額は変わるものなのです。

参考として、よくある難易度高い工事をご紹介します。

高所の給湯器

ベランダではない、2階の壁など高い場所に設置されている給湯器は、職人の熟練度によっては足場を組まず工事可能な場合もあります。

狭所の給湯器

隣の建物との間など、狭い場所に給湯器が設置されている場合、工具や体が入らないという理由で工事できない職人もいるようです。

給湯器交換工事は現地調査をしてくれる業者を

給湯器交換ナビでは、失敗しない給湯器交換には現地調査による下見が必要だと考えています。

リフォーム工事でトラブルを起こすと、そのあとしばらくは、リフォームした場所を見るだけで嫌な想いを思い出すと失敗した人の多くはいいます。

そうならないようにも、熟練した職人がしっかり下見をしてくれる給湯器交換業者を選ぶようしましょう。